最近では「発達障害」という言葉を聞く機会が増えてきて、なんとなく言葉だけでも知っている方が増えています。
この発達障害が特に取り上げられる主な対象は子供です。
ですが、実際は大人になっても発達障害を持ったままの方もたくさんいます。
この「発達障害」という言葉自体は世の中にたくさん出てくるようになりましたが
いったい、どれくらいの方が誤解なく認識しているのかはわかりません。
私の感覚ではまだ誤解なく認識できている方は少ないのではと感じます。
どうしても障害という言葉があるのでネガティブな印象があります。
そして、なぜ発達障害が起こるのかということもあまり一般レベルで詳しく認知されておらず、小児科へ行っても満足できる対応がされているとも言えないのが現状です。
この記事の目次
発達障害3つの側面
発達障害にもさまざまな形があります。
・発達の遅れ・・・同年齢の子供にはできる知的活動ができず、達成年齢が遅い
知的障害(MR)に代表的
・発達の偏り・・・行動や認知において、その量や質において同年齢の子供の程度を超えている
注意欠陥多動性障害(AD/HD)・学習障害(LD)に代表的
・発達の凸凹・・・定型発達児に比べて発達に凸凹があること
広汎性発達障害(PDD)・自閉症に代表的
実際の問題はどんなことがあるか?
大なり小なり子供であれば、落ち着きがないとか、集中力が低いとか、いうことを聞かないなどはあります。
そのあたりの線引きは親自身のとらえ方によっても全然変わってきます。
そのような中で発達障害を区分していくと次のようになります。
自閉症スペクトラム(ASD)
自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)は、かつて広汎性発達障害と呼ばれていた障害です。
自閉スペクトラム症の中核症状は「社会的コミュニケーションの障害」と「限定された反復的な行動」の2種類です。
1)社会的コミュニケーションの障害
・乳児期に社会的微笑(楽しいからではなく、無意識の笑顔)をしない
・ベビーカーから抱き上げてもらう時に両手をあげるなどの姿勢(予測的姿勢)をしない
・両親や兄弟、幼稚園の先生などへ愛着を示す行動が乏しく、知らない人の中に取り残されても平気なように見えることがある
・日常的な会話のキャッチボールがうまくできない
・話している時にあまり表情が変わらなかったり、身振り手振りが少なかったりする
・相手の気持ちを察することが苦手で、友達同士の付き合いが困難になりがち
2)限定された反復的な行動
自閉スペクトラム症のある子どもは、興味のある物をなめたり、手で触ったり、放り投げたりといった探索的な遊びをあまりしません。この障害のある子どもの遊び方は柔軟性に欠け、反復的な点が特徴的です。流れる水をじっと見続けたり、特定の物だけに強い愛着を示すこともあります。おもちゃを通常通りに使わず、一列に並べる、叩くといった単調な使い方をすることがあります。
変化に対する抵抗感が強く、小さな変化に対しても極度の苦痛、困難さを感じます。例えば、毎日同じ道順でなければ気が済まなかったり、同じ物を食べたりすることにこだわったりします。いつもと違って食事の前にお風呂に入るだけでかんしゃくを起こしたり、パニックになったりすることもあります。
アスペルガー症候群
1)社会性の障害
・友人を好むように見える。対人関係を持ちたがる子供が多く、初対面の人にいろんなことをしたり、友達と一緒に遊ぼうとする。
・自分の空間を守る、急に近づかれるとびっくりする。
・人に近づくときや会話時に相手を見ない。
・形式ばって、大人っぽく、難しい言葉や理屈を使い、振る舞うことで苦手な社交の場を切り抜けようとする。パターン化した会話で切り抜けようとする。学校で授業時間は問題なくても、休み時間になると会話に入っていけない。
・相手によって振る舞いを変えない(校長も友人も同じように接する)。
2)コミュニケーションの障害
・基本な語彙や文法は習得している。一見スムーズにコミュニケーションしているように見える。しかし、ことばの使い方に誤用がある。
・自分の意見を言うときにどのように言うべきか迷う。
・単調な会話、声の大きさやイントネーションの調整が苦手。
・話をしていると自分の好きな話題に戻っていく。
・冗談、比喩、ほのめかし、皮肉は言葉通りとってしまう。
・大人びた話し方や正確に話そうとしてくどい話し方をする。
・緊張したり、ストレスが加わると普段のように話せない。
・表情や身振りが乏しく、相手の表情や身振りの理解困難。無表情に話し、他の人の微妙な感情が読めないことがある。
3)思考の柔軟性の障害
・想像的な遊びが限られている。ごっこ遊びの発達が遅れがちで反射的になりやすく、役割を臨機応変に変えたり自分で新しい役割を見出すなどの、想像的・創造的な要素が少ない。
・コレクション(物集め)・分解・組み立てなどを好む
・同じ状態を好み、変化を嫌う(服装や髪形、持ち物)
・具体的で予測可能なことを好む。あいまいなことがわかりにくく、適当にしなさいと言われても適当がどういうことなのかがわからない。
・他者の目で自分の行動を見ることが苦手。相手が考えたり感じたりしていることの推測が困難。
注意欠陥多動性障害(AD/HD)
AD/HD3つの特徴
・注意欠陥:集中力にムラが大きい、忘れ物、話を聞いていない、指示に従えない、屁理屈、 順序だてが困難、外からの刺激で注意散漫。
・多動:手足のそわそわ、イス上でモジモジ、席を離れる、走り回る、高い所に登る、しゃべ りすぎる、静かに遊べない、じっとしておけない。
・衝動性:質問が終わる前に答える、順番を待てない、他人を妨害邪魔、一番が好き
学習障害(LD)
1)読字障害
・ひらがなの音読が遅く、読み間違える
・読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい
・文章を読むのがたどたどしく、文章の内容(あらすじ)をつかんだりまとめたりすることが難しい
2)書字障害
・バランスのとれた文字を書くことが難しい
・文章を書くときに助詞などをうまく使いこなせない
・板書など書き写しの速度が極端に遅い
・考えた内容を書いて表現することが難しい
3)算数障害
・数の概念が身につかず、数系列の規則性などの習得が難しい
・計算を習得することが難しい
・文章題を解くが難しい
できることはあるのか?
上記のようなことが多数あるいは偏って当てはまる場合、どう対処していけばよいのか?
小児科などの医療機関に行けば、正しいかどうかは別として診断がでます。
しかし、診断がでてもその後どうすればよいのかがわからないという状況がほとんどです。
その状況を打開するためには
治療しながら教育をする、療育が必要になります。
詳しくは次回お伝えしていきます。
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お子様が発達障害や学習障害と診断され、いろいろな治療法などを試してみたけど、症状の改善が見られないなど、お悩みの方には参考にしてみてください。